平飼いたまごとは、ニワトリが雌雄ともに自然に近い環境で育てられ、そこで産まれた卵のことです。ケージに閉じ込められることなく、自由に動き回り、健康に育ったニワトリの卵なので有精卵の場合もあります。意識して探さないと、売ってあるのに気づかないのではないでしょうか。そのように流通量が少なく、他の卵と比べて2倍以上の値段ですが、私は必ず平飼いを買っています。
生命エネルギーのあるものを食べる
食べても食べても食欲が治まらない理由の一つとして、加工品の割合が多いことが挙げられます。加工品は精製度が高く、人工的な要素が強いので、自然の生命エネルギーがありません。その結果、カロリーはあっても身体に必要な細かい栄養素が行き届かず、さらに食べ物を欲してしまいます。卵は加工品ではありませんが、安く売られている卵はバタリーケージという飼育法で採卵されたもので、養鶏場のニワトリは羽ばたきもできない狭い囲いに閉じ込められ、地面を歩くこともできず止まり木さえ1本もない囲いの中で一生を過ごします。その多くが病気や障害、吸血虫により死んでしまいます。生き延びたとしても、通常よりもかなり短命なのが事実です。免疫力が弱いため、抗生物質も大量に投与されています。
同じ「食べる」という行為でも、より自然に近い安全な卵を食べたいという思いから、わたしは平飼いを選んでいます。食べることは精神を豊かにする営みでもあると思っています。
健康なニワトリを育てる農家をサポートしたい
バタリーケージはすでにEUでは禁止されており、スターバックスもバタリー飼育卵の使用を廃止しています。安く大量に供給される卵はありがたいのですが、わたしは自分がお金を払って買うということは、供給者をサポートすることだと思っているので、バタリーケージではなく平飼いをする農家さんを応援する意味で購入します。自然な環境で元気に育つニワトリが増えてほしい、そのための支援活動のつもりです。ヨーロッパでは、1個80円くらいの卵を子供が買いに来るそうです。市民に安心安全な卵を供給する農家が守られ、飼育を継続していくことを願うなら当然かもしれません。私の実家では以前チャボが放し飼いされており、ニワトリが一日中歩き回り、遊び、そこらじゅうを突っついて餌を食べているのを見ていたので、あの散歩好きなニワトリたちが狭いケージに一生閉じ込められるなんて想像するだけで悲しくなります。
値段は高いですが、平飼いたまごを買う消費者が増えれば値段も安くなっていくし、農家さんも増えて卵の出荷量も増やせるのではないでしょうか。その結果わたしたちも健康になって、みんなの笑顔が広がっていけば良いな、と心から願っています。
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